こんにちは。
今回は就活の時によく問われる「自分らしさ」=「個性」について考えてみました。
学生時代に打ち込んだことや頑張ったことを自分らしさとして表現することをエントリーシートなどで求められます。今は大学1年からキャリア教育と称して就活講座っぽいことをやっているのでこの辺の情報を持っている学生は非常に多いです。学生時代を充実させるために従来のサークル以外にボランティアに行ったり留学に行ったりしなければという強迫観念をもって活動されている学生さんをよく見かけます。
さて今回個性を追い求めるあまり「没個性に陥る」人が多いということについて述べたいと思います。ボランティアに行く学生が多いとESを読んでいて感じ、カウンセリングの時に「どんなボランティアにどれくらい参加してどのような活動をしたのか?」と具体的に質問すると「2泊3日のボランティア体験ツアーに参加しました」という類の話の多いこと。大学が斡旋してやってる場合もあるそうです。特に3.11の大震災後にボランティア体験をした人は増えているようです。私がこれらの状況を見聞きしたときに思ったのは「これって就活のためのアリバイ工作じゃん」ということです。留学についても同じようなことなんですがカウンセリングをしていると「2週間の春季プログラムに参加しました」と短期語学研修のことを留学と言ってみたり、大学で勉強することを研究と言ってみたり自分の個性を出そうと思って大言壮語を弄して結局はみんな同じことをやっているしみんな同じような表現をしているので結果として「没個性」になってしまっているのです。
そもそも採用する人事側の人間が学生時代に素晴らしく充実して、かつ個性的な体験をして時間を過ごしたかというとはなはだ疑問です。学生なんてのは暇を持て余している人間なのです。そんな生活を送っていた会社員(人事担当者もここに含まれる)が今の学生に「個性を追求しろ」とか「そんなことではグローバル人材にはなれないぞ」といっても説得力が皆無なのです。なんせ私自身が大した学生時代を送っていませんし周りの学生も似たような感じでした。
結論として就活のためのアリバイ工作で小賢しいことをするのはやめたほうがいいです。就活のためのアピール材料で考えることはみんな同じようなことなのです。ボランティア体験とかパッケージ化された語学研修なんて個性でも何でもないです。人事側の人間はそんなのすぐに見抜けます。なんせ自分たちも同じような人間なのですからね。私が思うに周りと全く同じことができる規律と協調性のある没個性人間は日本の組織で大いに評価されます。言われたことを忠実に実行できる、疑いの余地を挟むことなく粛々と遂行することこそが求められてます。ここからあぶれてしまうような人たちこそグローバル人材として外資系企業などで活躍するのではないかと考えています。自分の意見を持ち、相手を説得し、競争をいとわず活動できる人って「なあなあ」のことなかれで物事を済ますことはないので日本の風土には合わないでしょう。
今日はこんなとこです